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うどんの王者丸亀製麺。次代の成長曲線は香港から描く

コングロマリット型経営により驚異的な成長曲線を描いているトリドール。だが粟田貴也社長は「2025年までに6,000店舗、売上5,000億円」と、さらなる未来を描き、売上の約6割は海外事業により創出することを目論む。近年、海外展開を積極的に推進してきたトリドールは、香港を中心に世界20か国に拠点を有するコンサルティングファームをパートナーとして選んでいる。今回は、香港のソウルフード一大チェーン「雲南ヌードル」の買収に携わったトリドールの小林寛之常務取締役と、伴走するYCPの石田裕樹CEOにトリドール海外戦略への想いを訊く。

海外戦略に込められたトリドールの想い
― 昨年からアジアを中心に積極的な海外展開を進めている背景をお教えください。
小林:外食の海外展開は、自国で成功したメニューやビジネスモデルを他国で展開し、目新しさゆえローカルに受け入れられる側面がありました。マクドナルドやケンタッキーなどは、その最たるブランドです。しかし、現在では、新店舗や新メニューの情報がインターネットで瞬く間に広まり、真似されて飽和します。海外では、とくにサイクルが速く、従来の成功体験だけでは成功できないリスクが高まっています。
アジアの外食市場も新しいバリューを持つチェーン店が台頭してきています。共通する強みは、現地に最適化されたローカルプレーヤーだという点。例えばフィリピンのハンバーガーチェーン「ジョリビー」は、国内880店舗・海外627店舗あります。フィリピン内は優にマクドナルドの2倍の店舗数を誇り、いかにグロバールスタンダードチェーンが、ローカルNo.1シェアを取ることが難しいのかを体現しています。
トリドールホールディングス 常務取締役 経営企画本部長 小林寛之
大学院在学中に公認会計士試験に合格。修士課程を終了後、大手監査法人にて監査業務に従事。その後、(国内証券会社系の)プライベートエクイティファンドにおいて、電子機器メーカー、外食産業等のバイアウト投資および、その後のハンズオンでの経営改革を経験。2014年に株式会社トリドールへ入社。2016年に執行役員、2017年に取締役、2018年に常務取締役に就任。2015年4月から外食業界初のCVCである、TDインベストメント株式会社の代表取締役社長を兼任。
アジアも市場が大きく成長しているので、アジアがトリドールの売上・利益の中心になっていくのは確実だと思います。それでも他国の食文化を根本から変えることはできません。
となると、ローカルでシェアを獲得するには、ゼロからブランドを立ち上げるよりもローカルに根付いたチェーンを買収し、さらなる付加価値を持つブランドへと育成・開発するマルチブランド経営と柔軟な事業展開が必須となってきます。昨年の成功事例として、香港の「雲南ヌードル」ブランド買収があります。こちらは、ローカルでシェアを持つ一大チェーン店であり、売上や店舗展開数に加え、中国や香港市場の成長期待度が非常に高かったのです。
石田:トリドールが買収した雲南ヌードル業態は、独特なスパイシーな味付けと、数多くのトッピングや辛さを自分で調整できるといった仕組みが人気を呼び、香港ローカルでは大変な人気ブランドとなっております。また、香港のファストフード価格は年々上昇しており、香港島ビジネス街だと70香港ドル以上、日本円で1,000円以上します。しかし、雲南ヌードルは500~600円で満腹になれる。この低価格設定も人気を後押し、この10年で店舗数が10倍と急拡大していました。
こういった急成長していながらも非常にローカルな業態への取り組みは、チェーンオペレーションや品質管理体制の確立、経理や人事・内部統制といったバックオフィスの強化、本社へのレポーティング・業務統合と、各方面で難しさがあります。結果的に、創業者一家は、日本の巨大飲食企業への事業売却を実現したことで、ひとつの香港ドリームとして大変に有名になりました。こういった成長余力の大きいローカル業態の買収に果敢に取り組んでいくことが、今後のトリドールの成長戦略において重要なポイントであると考えています。
香港「雲南ヌードル」YCPとの共同推進体制
― トリドールがYCPをパートナーとして選んだ理由をお教えてください。
小林:トリドールのブランドや事業開発のフローは、「仮説開発→リリース→アジャスト→スケール」となっています(※トリドール海外戦略記事はこちら)現在の香港は、メガブランドに代わる外食ブランドを求め始めた成熟期で、戦略にはスピード感が欠かせません。
これを通常のコンサルティングファームに依頼すると、リサーチから提案に3カ月かかることも少なくありません。リサーチ中に市場状況が変わってしまうこともあります。そのために仮説ができたら市場に投入しながら、PDCAをアジャストしスケールするスピード感を大切にしています。今回の香港のケースで言うと、まず、香港の一大チェーンである「譚仔(タムジャイ)雲南米線」売却に声がかかりました。ブランドの特徴は先ほど話がありましたが、売却情報を得てからの、社長の粟田の経営判断も早かった。是非前に進めたいということで、そのパートナーとして、石田さん率いるYCPにお願いしました。
株式会社YCPホールディングス グループCEO 石田裕樹
1982年新潟市生まれ。98年、自動車エンジニアを目指して高校2年生の時に米国ニューヨークに留学し、そのままコーネル大学機械航空工学部に入学。同大卒業後、2004年、東京大学大学院工学系研究科入学。06年、同大学院修了後にゴールドマン・サックス証券入社。戦略投資部に所属し、投資先企業の経営再建に取り組んだ。11年、株式会社ヤマトキャピタルパートナーズ(現・株式会社YCP Japan、東京・港)を設立、代表取締役に就任。13年、香港にグループ統括会社YCP Holdings Limitedを設立、グループCEOに就任し、現在に至る。
石田: 雲南ヌードルについて調査を進めていくと、当初1996年に家族で創業。その後息子たちが引き継ぎましたが10店舗を超えたくらいの時に、経営方針の違いから兄弟で2社へ分離。以降はライバルとして、競争関係となっていました。両者を同時に交渉のテーブルにつけるのは、弊社香港オフィスのローカルメンバーが非常に頑張ってくれたポイントです
小林:同じ出自の両ブランドだけで、雲南米線市場70%超のシェアでしたね。社内でも今後の店舗展開を考えると、もう一社をライバルとし続けるよりも、買収して安定市場を構築した方がいいのではないかという議論になりました。
石田:買収検討が開始した当初は、ビジネスデューデリジェンスの依頼を受けました。実は私自身はこの業態を認識できていなかったのですが、ローカルの社員に聞くと非常に有名で、特に若年層に人気を博していること、それから急速に店舗網を拡大していることが分かりました。そこで会社組織構成や市場動向、香港の外食市場の現状と今後、中国展開を見据えた出店余地などを調査していきました。香港に拠点を構え、ローカルの社員を擁するからこそ、消費者の嗜好や競合環境に、よりライブ感のある発見や買収における留意点をあぶりだせたのではないかと思っています。
小林: 両社の買収は、まさに香港におけるトリドールの基盤を盤石にした案件です。YCPの良い所はオープンイノベーションのスタンスをとっているトリドールと常に併走して、刻一刻と変わる案件の局面において、ただ成果物を納品して終えるのではなく、我々プリンシパルと一緒になって成長戦略を実現してくれるフレキシブルなところだと思っています。
石田:トリドールは、粟田社長と社員の皆様が一体となって、その経営判断が非常に速い会社です。買収後5年かけて経営方針や組織を固める企業も少なくありません。今回の香港のケースでは、グローバルな競争相手の誰よりも速いスピードで意思決定を重ねられたからこそ、非常に良い形で買収を実現したと思います。そして、買収後の目標設定や組織変革についても次々とタイムリーに決定されていた印象です。
次世代リーダー育成が今後を左右する
― トリドールとしては今、「2025年までに6000店舗、5000億円」という目標を掲げています。この実現に向けて、どのような人材が必要になると考えているか、お教えください。
小林:経営者になりうる人材を「次世代リーダー」と呼んでいます。今後は、グループ全体や各事業の経営者としてマネージメントできる人へのニーズが高まると考えています。具体的には経営に必要なことはすべて行うこと。語学力や数字に強いなどの基本スキルはもちろん、経営に対する強い意志や社内外のプロフェッショナルをまとめるリーダーシップ力も必要になります。
自ら高い目標を掲げ、それに向かって必要なことを自ら定義し行動できることも大切です。トリドールには外食にとどまらず、多種多様な事業にかかわるチャンスがあります。ときにはリスクを取ってでも勝負に出られるプロアクティブさを持った人たちが合うと思います。
石田:その通りですね。国内の外食市場は、美味しいのは当たり前でかつ非常に低価格というし烈な競争環境にあります。だからこそ海外市場に目を向けて、数十億円、数百億円の単位で事業を回している企業は革新的だと思います。
小林: トリドールは今、「下絵が描いてある真っ白なキャンバス」だと思います。ここは赤、あそこは青とか自分で色を塗って新しい作品を生み出す感覚。これまでに体験したことのない新しい体験は、とにかくワクワクして楽しい。その結果、自分の成長も感じることができるでしょう。私の場合は、まさか日本の外食企業が、香港のナンバー1ブランドを買収することになるなど予想はできていませんでした。
その先には、メインの外食で養った「消費体験を再現すること」を活かした「ライフスタイル全般を提案できる」事業を創出していきたいと考えています。現在も別事業の投資・育成は始まっています。2025年の目標に向かって山頂は見え始めました。一緒に山頂目指して登れる仲間を待っています。
(インタビュー・文:松田政紀[アート・サプライ]、写真:有坂政晴)

■本記事はNewsPicks Brand Designの制作のもと、2017年10月24日にNewsPicks上に掲載されたものです。

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